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離婚慰謝料の計算方法

<離婚慰謝料の計算方法>


1、離婚時の慰謝料とは?

 慰謝料とは、結婚中に受けた精神的苦痛への賠償のことをいいます。つまり、離婚の原因を作った責任のある者がもう一方の精神的苦痛に対して支払う賠償金のことです。
 
 一般には、夫が妻に払うことが多いのですが、妻が浮気したことが原因で離婚したような場合は、当然妻が夫に対し支払います。
 
慰謝料は夫婦の財産を分ける財産分与とは異なりますので、財産分与とはまた別に慰謝料の請求ができます

ただ、慰謝料は賠償金であるため、性格の不一致などの原因で離婚した場合にはなかなか認められません。
 
 さらに、離婚したからといって必ずしももらえるものではないということに注意が必要です。

 一般に、慰謝料を請求できるのは、不倫やDV、生活費費を渡さなかったなど、明らかに一方が悪いと認められる時ですので、双方に離婚原因がある場合や、特に理由がないけれども離婚したい場合等には慰謝料は請求できません。

 また、国際離婚のような場合には相手方の外国人が帰国してしまい、慰謝料の請求が法律的には可能であっても、現実には裁判等で強制的に支払いをさせることが難しいという問題があります。

2、慰謝料の支払い方法は?
 
 離婚時の慰謝料は、できれば一括でもらっておいた方がいいのは当然です。
 
 しかし、支払い能力がなく、一括で支払えない場合は、分割にすることも可能です。

ただ、将来的に、分割払いが滞ってしまうのではないかということ心配は残ります。

 そこで、その場合は、慰謝料の分割払いを「公正証書の離婚協議書」で約束しておくべきです。

 そうすることで、離婚協議書を紛失してしまっても協議書の内容を証明してもらえるだけではなく、万が一、将来的に支払いが滞ったときに、強制執行できるようになります。

 またこの場合の強制執行とは、養育費のように、サラリーマンの給与から直接天引きできるというものではなく、残額を一括で支払ってもらうということです。

 これは、せっかく離婚のときに公正証書で支払いを分割にして、支払いを延ばしてあげているという「利益」を与えてあげたのに、支払わない以上は、それを放棄したと見るべきがからです。

そのため、そのような強制執行の形がとられます。


3、離婚時の慰謝料請求の時効

 離婚の際の慰謝料はいつまででも請求できるわけではありません。

 慰謝料の請求には時効があり、離婚の届出をしてから3年以内にしなければなりません。
 
 3年を過ぎると時効になってしまい、もはや請求することができなくなってしまうので注意が必要です。

 またよくあるのが、離婚の際に、とにかく早く離婚したいとの気持ちから、「慰謝料はいりません」と放棄したようなケースです。

そのような場合、後から請求するのはとても難しいので簡単に放棄しないように気をつけてください。

 ただし、時効の3年を過ぎたからと言って、絶対請求できないわけではありません。
 例えば、相手が時効を知らなかったり、気が付かなかった場合や、「支払う事を認めた場合」などは、慰謝料をもらうことができます。

3年が過ぎてしまっていても、まずは諦めずに請求してみましょう。

4、慰謝料請求の額はどうやって決まる(離婚慰謝料の計算方法)?


まずは何はともあれ、 「話し合い」が優先します。

 慰謝料が一般的な額より多すぎても少なすぎても、別にお互いに納得していればそれでかまわないのです。

しかし、話し合いで納得できない場合も当然あります。

その場合、調停を行い、調停でまとまらなければ裁判で決着をつけます。


調停や裁判で慰謝料を決める際は大きく分けて
 

a 離婚原因と精神的苦痛の程度 

b 結婚期間 

c 相手の経済状況 

の3つの事情を考慮します。もちろん話し合いでは相手が合意すればそれでいいのですが、話し合いがまとまらず裁判所へ相談した場合などはこのようなことを考慮して金額が決められています。


a 離婚原因と精神的苦痛の程度とは破綻の原因、経緯、責任の割合、結婚生活の実情などです。 
b 結婚期間は相当考慮されるところです。1年あたりいくらという算定ではありませんが。 
c 相手の経済状況は、年齢、職業、収入、学歴などを考慮して決められています。


5、不倫相手への慰謝料請求について

 婚姻中は夫婦の貞操義務というものがあります。

 したがって、一方が他の男性、女性と不貞行為(不倫)をした場合には相手の男性、女性に慰謝料を請求することができます。

 しかし、現実には一度だけの不貞行為(不倫)であれば金額が低いことから慰謝料を請求するのは難しく、通常は継続的に不貞行為(不倫)があることが必要です。

 ただ、一回きりであっても相手が認めて慰謝料を支払うというのであれば慰謝料を請求することは可能です。

そしてこの慰謝料請求は裁判で行う必要はなく、口頭でも手紙やメールでもかまいません。

 但し、請求した証拠を残すためには、内容証明郵便を使うことが有効ですので、場合によっては内容証明郵便で慰謝料請求を行いましょう。

6、不倫相手への慰謝料請求の証拠

 慰謝料請求をするには、相手が認めさえすれば証拠はいりません。

しかし、相手が「不倫なんてしていない。会社の同僚だ」と居直られた場合には証拠を突きつけるのが話が早いです。

また、調停や裁判になったときにも、証拠が必要です。

実際、証拠がなければ裁判までもちこむのは厳しいです。証拠もなく調停・裁判まで持ち込むと、逆に名誉毀損で訴えられる可能性もあります。

証拠があいまいな場合は話し合いで無理であれば、それ以上まで請求するのは難しいので、証拠はしっかりつかんでおきましょう。

では、「不倫慰謝料を請求するのに、どの程度の証拠」が必要なのでしょうか?

まず、手をつないでいた、一緒に歩いていたという程度であれば、一般には不貞行為(不倫)とみなされません。

「特定の相手と数度にわたって、不貞をしていた」というのが明らかな証拠があれば一番良いです。

メール、電話、写真、日記、領収書など明らかに不貞行為(不倫)をしたという有力な証拠が裁判で勝つためには必要です。

しかし、小さな証拠でもたくさん集まれば、大きな証拠になる場合もあります。

 したがって、何もないよりは良いので、どんなものでもきちんと残しておきましょう。


7、不倫慰謝料請求の相場

 慰謝料の金額は、前述のように、相手が納得さえすればいくらでも請求することが可能です。

しかし、法外な金額を請求しては、話はまとまりにくくなり、とれるものもとれなくなります。現実的な金額で折り合いをつけたほうがいいでしょう。

では、現実的な金額とはどのくらいをいうのでしょうか?

これは、相手の年齢、社会的地位、不倫の期間、支配能力などを考慮し、個別具体的に判断していく他ありませんが、夫婦ですから、およそ妥当な額は算出できるのではないでしょうか。


参考までに話し合いがまとまらず、調停や裁判になった場合、最終的には50万〜500万円くらいというようにかなりのひらきがあり、ケースによりさまざまです。

ただ、普通の方であれば、100万円までを目安にされればよいかと思います。


8、不倫慰謝料請求の時効

 不倫の慰謝料請求にも時効があります。この場合、一般の不法行為の時効と同じで、あなたが不倫そして不倫相手を知った時から3年以内に請求が必要です。

 また不倫行為に気が付かなくて20年経過してしまったときも慰謝料を請求できません。泣き寝入りにならないよう、時効が来る前に慰謝料を請求しましょう。


<参考:離婚慰謝料請求サポート費用(標準報酬)>

1、内容証明郵便による慰謝料請求:¥21000

2、離婚慰謝料についての合意書作成:
¥31500

3、離婚慰謝料についての公正証書作成:¥52500
 

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